静岡市立静岡病院
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あなたの治療を40名のチームで支えます

静岡病院ハートセンターとは?

循環器内科と心臓血管外科が一緒になって、心臓病の診療を行う部門です。
最先端の治療手段を持ち、患者さんへの最善の治療を行うことを目指しています。

ハートセンター所長 小野寺 知哉

副病院長/ハートセンター長
小野寺 知哉

循環器内科は、内科的な診断、治療を行う科で、カテーテル治療を積極的に行っています。
カテーテル治療には冠動脈や足の動脈に対する風船カテーテルやステントでの血管拡張術、不整脈に対するカテーテルアブレーションがあります。

心臓血管外科は、狭心症や弁膜症に対する外科的手術、大動脈瘤に対するステントグラフト留置術を数多く行っています。

患者さんの治療方針は、循環器内科と心臓血管外科が毎週行っているカンファレンス(検討会)で討議され、最善と考える治療を患者さんに提示しています。
また、循環器内科医、心臓血管外科医それぞれ1名が夜間、休日も病院に常駐し、診療にあたっています。

静岡病院ハートチームの医療体制

患者さんの診療にあたるのは、循環器内科と心臓血管外科の医師だけではありません。
手術を行うときの麻酔科医師、看護師、臨床検査技師、放射線技師、臨床工学技士など、
いろいろな職種のスタッフが一緒になって患者さんの診療を行います。これをハートチームと呼びます。

ハートチーム図

当院ではTAVI(大動脈弁狭窄症のカテーテルによる人工弁留置術)の導入をきっかけとして、
ハートチームとしての意識が高まり、皆で患者さんの診療を行っています。

5つの治療について

TAVI(Transcatheter Aortic Valve Implantation 経カテーテル大動脈弁植込み術)

TAVI手術TAVI手術

「TAVI」とは、重症の大動脈弁狭窄症の患者さんに対する治療法です。

これまで第一に行われていた心臓手術は大動脈弁置換術であり、人工心肺を用いて心停止下に胸を開いて行う必要がありました。しかし、高齢で、大動脈自体の石灰化が強く、人工心肺を用いることが危険であったり、肺の働きが低下していたりすると、大動脈弁置換術のリスクが高い、あるいは手術不能とされる場合がありました。

我が国では高齢化が進み、そのため大動脈弁が変性して大動脈弁狭窄症を来す頻度が増えています。大動脈狭窄症が進行すると息切れ、胸痛、失神などの症状が出現し、重症と診断されると積極的な治療を受けることが勧められます。

重症度の判断は心臓エコー検査でなされています。大動脈弁を評価して、そこを通過する血流の最大流速が4m/秒以上であれば、重症と診断されます。診断後に心臓手術を受けるにふさわしいかどうかの評価を行い、手術のリスクが低ければ従来の心臓手術を受けることになります。リスクが高い場合には、ハートチームにてTAVIを受けるのがよいのかどうかを検討します。

TAVI自体は胸を開いたり人工心肺を用いたりしないため、患者さんへの負担は軽減されます。術後の回復も早く、早期退院が可能となります。

TAVIについて詳しくはこちら(静岡病院サイトへ)

虚血性心疾患

冠動脈インターベンション 左:バルーン形成術 右:ステント留置術冠動脈インターベンション
左:バルーン形成術 右:ステント留置術

虚血性心疾患とは、心臓を栄養する血管(冠動脈)が動脈硬化により狭窄する狭心症や、冠動脈が閉塞して心筋が壊死を起こす急性心筋梗塞などの総称です。

当院は静岡県中部の循環器医療の中心として、循環器内科と心臓血管外科が緊密に協力して、虚血性心疾患に対してトップレベルの治療を提供しています。

狭心症を疑った場合はアイソトープ検査や冠動脈CT検査等で冠動脈狭窄の評価を行い、必要があれば短期入院で心臓カテーテル検査を行います。そして、病状に応じて冠動脈を風船やステントで広げる治療(冠動脈インターベンション)や冠動脈バイパス術を選択します。


冠動脈インターベンション手術冠動脈インターベンション手術

冠動脈インターベンションは血管内超音波検査(IVUS)や光干渉断層撮影(OCT)等の血管内イメージングを駆使して、安全かつ正確に手技を行います。病変の石灰化が強い場合は、血管内からドリルで石灰分を削る治療(ロータブレータ)を行うこともあります。病変に応じて、通常のステント以外に再狭窄抑制のための薬剤が塗布してあるバルーン(DCB)や、生体吸収性ステントなど最新の器具を用いて治療を行います。

当院では循環器内科医が毎日当直しており、急性心筋梗塞に対する緊急カテーテル検査、緊急冠動脈治療に24時間即応できる体制を整えています。

ステントグラフト

大動脈瘤は破裂すると死亡率が高いのですが、破裂前はほとんど症状がないため、silent killer(物静かな殺人者)と言われることもある疾患です。手術技術の進歩により、待機的に手術を行う場合の死亡率は低いのですが、高齢化現象などの社会背景の変化により、開腹や開胸手術が困難な場合が増加しました。

ステントグラフトは、人工血管にステント(バネ状の金属)を取り付けた新型の人工血管で、これを細いカテーテルの中に収納して使用します。ほとんどの場合、胸部や腹部を切開する必要はありません。胸部及び腹部ステントグラフト治療は、2006年に保険承認となってから、低侵襲手術として全国に広まりました。最近、ステントグラフト治療の保険適応となる疾患は広くなり、胸部及び腹部大動脈瘤、急性大動脈解離、動脈外傷、閉塞性動脈硬化症などに対して応用されるようになっています。

人工血管とステントグラフト人工血管とステントグラフト

当センターのステントグラフト治療の特徴は、ステントグラフトに不向きとされるハイリスク症例にも、血管内治療技術をフル活用し治療の低侵襲化を行っていることです。この中には、弓部大動脈瘤に対する開胸手術とステントグラフトを組み合わせたハイブリッド治療や、腎動脈ステントと腹部大動脈瘤手術を組み合わせた腹部大動脈瘤治療などがあります。また、大動脈解離に対するステントグラフト治療、動脈外傷や大腿動脈の閉塞性動脈硬化症に対するステントグラフト治療も開始しています。

冠動脈バイパス手術

冠動脈バイパス術冠動脈バイパス術

冠動脈の狭窄の先に新たに血管をつないで血流を改善する治療法です。本人の血管を使用します。使用できる血管は内胸動脈、橈骨動脈、胃大網動脈、足の静脈です。動脈グラフトを優先使用しますが、冠動脈狭窄、全身の動脈硬化の状態によって、適切な組み合わせで手術を行います。

適応

冠動脈血行再建には、カテーテル治療とバイパス手術があります。一般的には多枝病変、左主幹部症例、心機能低下症例はバイパス手術が優れているとされています。

当院では、それぞれにどちらが適しているか、循環器内科医と心臓外科医が検討して決定します。
狭心症は一生治療が必要です。当院では循環器内科と協力し、個々の患者さんが治療経過の適切な時期に冠動脈バイパス術を受けていただき、その後の治療を継続していくことを目指しています。

手術

手術は全身麻酔、人工呼吸、胸を開いて行います。人工心肺で心停止下に血管をつなぐ方法と、心臓を動かしたまま血管をつなぐ(心拍動下バイパス)方法があります。当院では心拍動下バイパス施行率が95%を超えていますが、症例によっては人工心肺心停止下手術を選択する方針です。

成績

2013年-2016年の単独バイパス術400例でJapan scoreによる予測死亡率4.5%のところ、実際は3.3%でした。

外科治療

心臓弁膜症手術

僧帽弁形成術 左:三角切除 右:リング縫着僧帽弁形成術
左:三角切除 右:リング縫着

弁膜症に対する標準術式は20年前までは弁置換術でした。生体弁は10年以上たつと交換が必要となるため、若年者の場合は機械弁が使用されることが多いです。機械弁が植え込まれた場合は生涯にわたるワーファリン服用が必要で、6-8週に1回の血液検査が必要と煩雑なだけでなく、効きが悪ければ血栓塞栓症を、効きすぎれば出血の合併症を生じます。ワーファリン服用を回避する目的で、近年は大動脈弁、僧帽弁ともに、特に若い方に自分の弁をそのまま残して修復する形成術が行われるようになってきました。

僧帽弁の病気と外科治療

僧帽弁のしくみは左心室の働きを助けており、弁置換術よりも自己弁組織を残して修復する僧帽弁形成術のほうが、術後の左心室の機能が良いことがわかっています。

当院では、最近増加している僧帽弁閉鎖不全症に対しては自己弁を温存する僧帽弁形成術を積極的に行っており、成績も向上しています。しかし、狭窄症を伴う病変では長期の成績が不良であることから無理に弁を温存せず、体と年齢にあった人工弁置換を選択するなど、患者さんに最適な治療法を検討します。

また、僧帽弁手術時に合併することの多い心房細動と三尖弁逆流についても同時に手術治療を行い、健常時の心臓に可能な限り戻せるよう、総合的に取り組んでいます。

大動脈弁の病気と外科治療
左:単独大動脈弁形成術/右:自己弁温存大動脈基部置換術(リモデリング)左:単独大動脈弁形成術
右:自己弁温存大動脈基部置換術(リモデリング)

全国的には、大動脈弁閉鎖不全症に対しては弁置換術が行われています。当院では2015年から、自己弁を修復することにより逆流をなくす大動脈弁形成術を取り入れています。

大動脈弁は通常三尖弁ですが、生まれつき二尖弁の方でも長期成績が安定しているので、形成術が可能です。

手術は人工心肺と心筋保護法を用い、心臓を止めて行います。弁だけでなく、大動脈基部、上行大動脈などの状態を総合的に評価し、長期の成績が期待できる術式を選択します。大動脈基部拡大がなければ弁輪形成と弁尖修復による弁形成術を行い、大動脈基部拡大があれば、自己弁温存大動脈基部置換術に弁形成術を追加して逆流を制御します。

自己弁温存大動脈基部置換術には、世界的に有名な二人の外科医(David(デイビット)とYacoub(ヤクープ))の名前の付いた手術があります。2015年までは主にDavid手術を行ってきましたが、2015年後半からは、Yacoub(別名 リモデリング)に弁輪縫縮術を加える長期成績の安定した術式を主に行うようになりました。

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施設紹介

ハイブリット手術室
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カテーテル室
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054-253-3125
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